診断について・診断内容、治療内容についてのご説明

日光角化症(老人性角化症)について

新しい外用薬が承認されました
兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通の皮膚科、日光角化症(老人性角化症)について日光角化症は高齢者に多く発症し、耳介を含めた顔面、髪の毛の抜けた頭部(禿頭部)、手背などに1個から数個生じ、大きさは数ミリ~2センチ程度、円形から楕円系の淡い紅色ないし紅褐色で、表面はカサカサしてフケのようなもの(落屑といいます)が付着していることが多い平らな腫瘍です。角質が肥厚、硬化して皮角という角状になることもあります。

近年、地球環境問題として指摘されている、成層圏のオゾン層の破壊による紫外線量の増加が皮膚癌の発生を誘発し、中でも皮膚癌の前癌病変である日光角化症の発生が増加するといわれています。
日光角化症が皮膚癌へといたる割合は報告により異なりますが、数%から20%程度とされ、癌化するまでには一般に10年以上を要します。癌化すると、病変が急に大きくなったり、表面がじくじくしてきたりすることが多く、また、周囲の皮膚が硬く触れる(浸潤といいます)ようになることもあります。

日光角化症(老人性角化症)のイメージ画像 診断が困難な場合、あるいは癌化が疑われる場合は、病変の一部を切り取る生検を行い、顕微鏡で病理検査して診断することがあります。
治療方法は、完全に切り取る切除手術が根治的な治療ですが、顔面や頭部に生じることが多く、多発していることも多いため、術後の傷痕などの整容的な問題から、まずは保存的な治療が選択されることが多くなっています。 保存的治療は、液体窒素にて腫瘍細胞を凍結壊死させる方法(凍結療法)、抗癌薬である5-fluorouracil(5-FU)軟膏の外用などがあります。さらに、最近は特殊な薬剤を病変部に吸収させた後に特定の波長の光線を照射して、異常を起こしている細胞を壊死させる光線力学療法(PDT)という治療法も臨床応用されています。ただし、光線力学療法は健康保険の適応外で、施行できる施設も大学病院など一部に限られています。 平成23年12月より健康保険の適応が承認された、イミキモド・クリーム(ベセルナクリーム)は、腫瘍細胞に対する免疫を賦活することにより腫瘍細胞の増殖を抑制あるいは壊死させる作用を有することで、日光角化症への有効性が認められた新しい治療薬です。
使用に際しては、週3回外用する、就寝前に外用したあと翌朝に洗い流す、効果が不十分な場合は外用を追加するなど、何点かの注意点があります。また、腫瘍細胞が完全に消失したことを証明することは困難ですので、治療終了後も定期的な経過観察が必要です。
日光角化症を疑う病変があり、イミキモド・クリームの使用を希望される際は、正しく診断し、正しい外用方法にて治療を続け、また治療効果判定を正確に行うため、皮膚科専門医を受診することをおすすめします。

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