診断について・診断内容、治療内容についてのご説明

陰部のかゆみについて(男性編)

帯状疱疹に伴う難治性の痛み治療についてのイメージ画像「陰部がかゆくて我慢できない」という患者さまが来院することが時々あります。夏場は「いんきんたむし」といわれる水虫菌(白癬菌)による股部白癬であることが多いのですが、それ以外の季節に他の原因で発症することも最近になって多い傾向があります。 痒みのみではなく、頻尿、特に夜間頻尿や排膿痛を伴い、熟睡できない、寝不足になるなど、生活の質にも影響することがあります。部位が部位なだけに発症してから医療機関を受診するまでに時間のかかる方も多い病気です。 原因としては、①汗、皮脂、それらと混ざった汚れ、入浴時の石ケン成分の洗い残しなど、刺激となるものの付着、②洗い過ぎ、こすり過ぎ、乾燥、下着の縫い目やほつれ部分での擦れなど物理的刺激によるもの、そして③尿漏れ、尿路の尿の残りの付着による刺激などがあります。しかし多くの場合、複数の要因が複雑に絡み合って発症していると考えられます。 診察は視診および上記の原因の有無についての問診から開始します。 陰嚢周囲から鼠径、大腿(ふともも)内側に炎症がある場合は股部白癬を疑い真菌検査を行います。陰嚢と陰茎が接する部分に炎症や掻き傷が多い場合は、尿の付着や石ケン成分の残り、汚れ、洗い過ぎを疑います。さらに、陰嚢の下端の炎症が強いときは乾燥や下着の縫い目との擦れを疑います。陰嚢全体に炎症が及んでいる場合は洗い過ぎや尿道炎の合併を疑います。すぐに原因が特定できることは少なく困難なことが多いですが、思い当たる原因から順に取り除く指導を行います。頻尿や排尿痛があれば泌尿器科への受診を勧めることがあります。 治療ですが、股部白癬で有れば抗真菌薬の外用、それ以外ではかゆみ止めの内服と止痒薬外用、および症状が治まったら保湿薬を塗ることが主となります。急性期には副腎皮質ステロイド外用薬を使いますが、長期にわたり外用すると皮膚が菲薄化(薄くなる)し、乾燥や擦れに弱くなったり、わずかな刺激で出血したりしますので使用は短期間にとどめるように指導し、量も少なめに処方します。 様々な原因が関連しているので治療期間がやや長くなることが多い病気ですが、症状が強いとき、治療効果が不十分なとき、「竜胆瀉肝湯」という漢方薬が陰部湿疹、陰部痒痛、尿道炎などに適応を有し、外用薬やかゆみ止め内服薬と併用すると著効することが良くあります。

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