診断について・診断内容、治療内容についてのご説明

やけど(熱傷)の治療について

金属アレルギーのイメージ画像皮膚が60℃以上の熱源に1秒以上接触した場合に熱傷となりますが、湯たんぽや使い捨てカイロなど45℃程度でも数十分以上皮膚の同じ部位が熱し続けられると低温熱傷を生じます。 熱傷の重症度を決定する因子は、深さ、面積、部位、年齢などがあり、治療方法も重症度により異なりますが、まずは深さにより1~3度に分類し、治療を開始することが多いです。

熱傷1度は、受傷部の発赤が主な症状で、強い痛みがあります。受傷後は、まず冷水(水道水、流水)で充分冷やします。氷水あるいは氷を直接皮膚に当てるのは凍傷や血液の循環障害を起こしますので避けます。充分冷えたらステロイド外用薬を塗ることで痛みや発赤が次第にひいて、おおよそ2~3日で治っていきます。
1度の熱傷は早期に適切な治療を行えば瘢痕や皮膚の色の変化は残りにくいです。

熱傷2度は受傷部に水疱ができ、激しい痛みがあります。ただし、水疱は受傷直後よりも翌日以降に生じることが多いです。破れていない水疱は、一部を破って内容(リンパ液、組織液)を排出させます。水疱の皮部分は皮膚の新生の促進、疼痛の減少に役立ちますので可能な限り温存したほうが良いといわれています。ただし、受診時にすでに破れてしまっている水疱は感染の原因となるので除去します。浅い2度の熱傷であれば外用治療により約2週間で治り、瘢痕は残りにくいですが、色素沈着(周囲より黒くなる)や色素脱失(周囲より白くなる)を残すことがあります。

熱傷3度は皮下組織に及んでいる熱傷ですので、外用治療以外にも、輸液や早期の手術を要し、入院治療になることもあります。2~3度熱傷で深さが真皮の深部に及んでいると、硬く治る(瘢痕化)、あるいは正常皮膚の新生が不十分なときがあり、その場合は植皮を要することがあります。

熱傷はいずれの重傷度においても外用療法が必要となりますが、感染症に注意することが必要です。感染症が遷延すると重症度が高くなり、2度熱傷が3度熱傷相当の傷跡になることもあります。従って、受傷直後からのステロイド外用薬と抗菌薬の使い分けが重要で、外用薬の強さや基剤の選択などにより治療経過も大きく変わってきますので、外用薬の専門知識を有した皮膚科専門医への受診をお勧めします。

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